資料請求 LINE相談 学校説明会
オープンキャンパス
TID
Exclusive
Interview
01

Ryuji
Odate

IP(知的財産)として楽しまれるようになったゲーム。
その流れが、メタバースへとつながっていく。

株式会社 バンダイナムコスタジオ
マネージャー
大舘 隆司

CG映像からテーマパークアトラクション、家庭用&スマホゲームまで幅広い分野で活躍してきたクリエイター。プロデューサーとして、『テイルズ オブ』シリーズに長年携わり、『テイルズ オブ アライズ』では開発ゼネラルマネージャーとしてプロジェクトを管理。現在は『GYAAR Studio』のマネージャーを務めている。

現代では、ゲームをお客さんに
手に取ってもらってからが勝負になる

— バンダイナムコスタジオならではの強みとは何でしょうか?

私たちは0から何かをつくる、発想する会社です。そうしたモノづくりをしたいという目的を持った人間が1,000人規模で集まっている。ビジュアル、エンジニア、サウンド、プランナーといった多くの職種のプロが集まって、つねに何か新しいことができないかと考えている。それが強みですね。自分たちの「何かやろうよ」という気持ちそのものが、バンダイナムコスタジオの成長エンジンになっていると思います。

— 先進のデジタル技術の研究開発にも取り組まれているとお聞きしました。

まず表現まわりでいうと、ゲームエンジンと呼ばれるゲームを作るための基盤機能を整えようとしています。さらに人材確保に関して、日本で開発人員を揃えるということが今ではナンセンスになってきていて。コロナ禍もありますしね。スタッフがつながってモノをつくるためのクラウド開発が、当たり前の技術になりつつあります。そしてGaaS(Game As A Service)思想、ゲームをサービスとして長く機能させていくという考え方があって、現代ではゲームをお客さんに手に取ってもらってからが勝負なんですね。そこに対応できるプラットフォームをつくろうという動きがあります。

— 現在のゲーム業界のトレンドは、どのようなものでしょうか?

ゲーム機の高性能化によって開発費が増大していて、大作ゲームじゃないとそれを回収することができないという傾向は続いています。なので、コンシューマーゲーム市場においては作品をワールドワイドで売ることがすごく重要になっていますね。一方スマホゲーム市場では、ガチャとかガシャとか呼ばれる日本のゲームモデルがガラパゴス化していて、海外では受け入れられない現状があるのですが、日本のマーケットだけで大きな利益が上がってしまうんですよね。ただ、若い人が日本でしか売れないゲームを作らざるを得ない環境には危機感があります。

— バンダイナムコグループでは、今後ゲームごとのメタバースを開発される方針のようですね。

エンタメのサービス提供の場が、広がっていくということです。従来のゲーム屋の発想に留まらず、デジタルを活用して遊びの文化を広くプロットしていきたいという理念がそこにあります。最近導入された新CIも、「おもちゃのバンダイ」や「ゲームのナムコ」といった枠組みを超えて「バンダイナムコグループは、こういうことをやっていきます」という宣言なんです。

「TALES of」 SERIES 戦略よりもスタッフの覚悟が、
世界的ヒット作品を生み出した

— 大舘さんが携わってこられた「TALES of」シリーズは世界販売累計2,500万本の大ヒット作として知られています。どのような戦略で、グローバル市場を攻略されたのでしょうか?

もともと「TALES」は日本のJRPGという分野で歴史を作ってきて、国内のファンが圧倒的に多かったんですけど、ワールドワイドに売れるゲームにしないと開発を続けられない状況になって。世界へ売っていくために最も重要なのは、ローカライズなんですよ。最初は日本語のゲームを英語圏に向けて売るためのキャラクターの「リップシンクロ」もできていなくて、海外では「何だこれは?」という反応になってしまった。そこからグローバルなゲームに仕上げていくことができたのは、戦略というよりも開発スタッフ1人ひとりの覚悟が大きかったように思います。

GYAAR STUDIO “インディーチャレンジ”で、
世間に面白いと思わせる情報発信を

— 大舘さんがマネージャーを務められている「ギャースタジオ」のミッションは何でしょうか?

バンダイナムコスタジオの若いクリエイターを育てることです。先ほど言ったようにゲームが大作でなければならない時代なので、1つのゲームの開発期間も必然的に長くなるんですね。そうすると、若手が打席に立てるチャンスがどうしても少なくなる。そこで、開発予算も期間も少なくて済むゲームをつくる“インディーチャレンジ”の機会を若手クリエイターに提供しようと考えたんです。そこで注目されるゲームをつくってもらって、世間に「バンダイナムコスタジオって面白いな!」と思わせる情報発信になればいいなと。

— ここから、どんなクリエイターに育ってほしいとお考えですか?

彼らには「前向きにコケるんだったらいいよ」と、いつも言っています。失敗を減点にはしない。逆に「このゲームはダメかもしれない、やめよう」といった態度の方が減点になります。バンダイナムコスタジオではやらない新しいことを探して採り入れた、面白いゲームを少ない期間と予算内でつくれればいいんです。だから、前向きに倒れている若者を踏んだりする人はギャースタジオにはいないですよ(笑)。

  • EVENT OPEN CAMPUS
  • 資料請求
  • 業界コラム