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Chubachi

どこまで優しく、誠実でいられるか。
新しい世界を生きていくために。

中鉢良治学長と本学1年の在学生が語り合い、
社会とITのこれからを考えていく対談セッション。
時とともに変わりゆくものと、決して変わらないものに思いを巡らせる。

東京情報デザイン専門職大学 学長
中鉢 良治

どこまで優しく、誠実でいられるか。
新しい世界を生きていくために。

学生:中鉢学長は高校時代に文系から理系に進路を切り替えたとお聞きしました。その経緯を教えてください。

中鉢:はい。私は中学の頃から物を書くのが好きで、小説家を目指そうと思ったこともありました。しかし、そのために何を勉強をすべきかわからなかったので、先生の勧めもあり、とりあえず地元の進学校に入ることにしたのです。すると、そこは生徒の7割が理系で、文系の同志を見つけることはできませんでした。簡単に言えば、理系の友達が多かったから理系に進んだということですが、文学が好きだったということは、仕事には直接結びつかないとしても、今も私の中で生きていて、人生を豊かなものにしてくれていると感じます。実際、仕事でも人に何かを説明する時に文章の構成力や表現力が問われることは多々ありますからね。
大学は工学部に進みました。当時は’64年の東京オリンピックが終わり、大阪万博までの時期ですね。日本では「工業化」が大きく謳われて、世界を見渡せば人工衛星の打ち上げですとか、科学技術的なトピックスで盛り上がっていた頃です。工業エンジニアという職業にも注目が高まっていて、私もその分野に惹きつけられていきました。

学生:中鉢学長が学生時代に学んだことで、社会に出てから大きく役立ったと感じるのはどのようなことですか?

中鉢:勉強の内容については、ほとんど活かされませんでしたね。私が大学で学んだのは「鉱山工学」ですから。電気や機械を学んだ人は製造業でそのまま通用するわけですが、鉱山工学ではそうはいきません。私の場合、学びよりも活きてきたのは、人との出会いでした。出会いが学びをつくって、学びがまた新しい出会いをつくっていく。特に大学では、中高よりも多様な友達と出会えるじゃないですか。そこにワクワクするような刺激があって、さらにこうなりたいと目標にできる先輩もいる。先生も専門によって、人によって、全然違う。そこで多様な考え方に触れられたというのは、大きな財産でしたね。

ゲーム関係の職業に就いて、子どもにも大人にも笑顔を届けたい。
その夢が少しリアルになりました。

学生:これからIT分野で活躍していくために、必要な資質とは何でしょう?

中鉢:もちろん、知識や技術に精通しているということは大切です。それらの新しい変転を知っているということは、今の社会に適応できているということですから。しかし、それを追いかけることがすべてではありません。それ以上に大切なものは、どれだけ時代が変わっても、決して変わることのないものの中にあります。それは、人としての優しさであると、私は思うのです。尊敬する大学時代の先生から言われた言葉に、「人は優しくなければならない」というのがあります。その優しさとは、実験をするにしても観測をするにしても、小さな違いに気づいてあげられる繊細さとも言えます。ITに限らずどの分野でも、「できる人間は優しい」と言えるのではないでしょうか。そして、優しくあるためには、誠実さが必要です。勉強に対して、仕事に対して、社会に対して、接する相手や自分に対しても、あらゆるものに誠実であること。誠実に向き合うことによって、さまざまな物事と影響を与え合い、共感力の高い人間に成長していくことができます。

小2からプログラマーを目指してきました。
その周辺まで全体的に学べるのが、この大学の魅力ですね。

学生:研究者・経営者・研究機関の理事長を経て、大学の学長となられたのは、どのようなお考えからですか?

中鉢:すべては「研究」という接点でつながり合っていて、自分の中で何かが大きく変わったとは考えていません。ただ、野球でも選手を経て監督になっていくように、年齢や経験によって力を発揮できる場所が変わっていきますから、その時々で最大の価値を生み出せる選択肢を見つけていくしかありません。
今、大学の舵取りという道を選んだのは、これまでさまざまな立場から研究に携わってきた上で、やはり「研究・イノベーションの芽」となるのは大学での学びだろうと思うに至ったからです。人材を育てるというのは、企業や研究機関で成果を出すことよりも、今の自分にとって優先すべきことではないかと考えるようになったのです。ですから今、ここで、「育てる」ということと真剣に向き合っています。まず先生方にしっかり研究や教育に取り組んでもらい、学生たちにもしっかり勉強に打ち込んでもらい、職員たちにはそれをしっかりとケアしてもらう。何年か経って、ここを巣立った卒業生たちが社会に出て大きな活躍を見せてくれる。そして、あの人が通った大学なら行ってみたい、あの先生に教われるなら行ってみようと、多くの若者から憧れられる場所をつくっていきたい。皆さんにも、いつか胸を張って「TID出身です」という姿を見せてほしい。それが、今の私の願いです。

学生:はい。一緒にそういう大学をつくっていけるよう頑張りたいと思います。

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