専門職大学とは? 既設の大学との違いや将来の選択肢まで徹底解説
専門職大学は、知識と実践をバランスよく学べる学校です。仕事に役立つ専門的な知識が身につくだけでなく、卒業後すぐに社会で即戦力として活躍できるスキルやマインドまでしっかり学べる点が特徴だといえます。
しかし、「専門職大学って専門学校とはどう違うの?」「既設の大学と何が違うの?」 「じゃ東京情報デザイン専門職大学(本学)では、どんなことが学べるの?」 といった疑問をもつ方もいるでしょう。 そこで、この記事では専門職大学および本学の特色について徹底的に紹介していきます。
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記事の概要
専門職大学とは
専門職大学とは、2019年度にスタートした新しい大学制度です。本学もその制度に合わせて2023年4月に創立した学校の1つです。 理論や知識と合わせて、経験を伴う実践的なスキルを身に付けることができます。卒業時には学士(専門職)の学位が授与されます。 知識・学術の習得をメインとしてきた大学とは異なり、専門分野の職業教育に力を入れているため、以下の様な特徴があります。
- 「将来目指したい分野や職種、仕事が明確になっている」といった職業重視の学生に適した環境が整っている
- 講義に加えて、専門的な場で実習を行うため、卒業後に実践的な知識・技術・スキルを各分野の企業で発揮できる人材を育てることができる
専門的な技能を磨きつつ、卒業後に実践的な職業観をもって働きたいといった場合に適した大学制度だといえるでしょう。
専門職大学は新しい制度を取り入れている
専門職大学は大学と専門学校における以下のメリットを取り入れた学校として、文部科学省が制度化しました。知識を充実させたうえで、実践的な職業教育を行うことのできる新たな高等教育機関だといえます。
- 大学・・・学術重視の傾向が強い
- 専門学校・・・実践や技能教育を重視
一般的な大学では、学術中心に学ぶ傾向から興味のある学問を徹底的に追求する場所だといえます。そのため、卒業後社会に出た際に職業観を身につける流れが主でした。 対して、専門職大学においてはスキルや知識も社会に出る前に実践的な視点から学べるため、より働く現場に近い技能を取得した上で社会に出る準備ができる制度です。
特定の職業に精通した人材の育成を行う
専門職大学の目指すところは、特定職種の実務に必要な知識や技能を身に付けた人材の育成を目指しています。 そのため、知識の習得だけでなく現場における実習にも力を入れています。 産業界との連携教育が授業内容にも組み込まれており、実際の企業や職場での実務を体験できるのは魅力の1つといえるでしょう。 また、教員は理論に精通した研究者だけでなく、業界の現場経験豊富な実務者が在籍している点も特徴です。学生は、専門性の高い教員から実際に現場で役立つ多くの知識や技術を学ぶことができます。
専門職大学は職業重視の大学
専門職大学は、特定の職業に対してスキルや知識を併せ持つ人材の育成を目的としています。600時間以上にも及ぶ学内での実習によって、現場に通用する適応力や問題解決能力を身につけることが可能です。 また、関連職業に関する知識やスキルを授業によって高めていけるため、実践的な学びを得たい学生のニーズを満たすこともできます。とくに将来の仕事に直結したスキルを得たいなど明確な目的がある場合は、適切な選択肢になるといえます。
専門職大学の4つの特徴
ここからは、専門職大学の特徴についてみていきましょう。実習の多さや一人ひとりに焦点を当てられる授業体制など、これまでの大学制度との違いを把握しておくことが大切です。
大卒資格(学士)の取得が可能
専門職大学を卒業すると「学士(専門職)」の学位が授与されます。大学卒業者に与えられる「学士」と同等の学位です。
そのため、個人の希望によって、募集資格が「大卒以上」の求人に応募できる・大学院進学や留学が可能となります。
また、卒業時点ですでに専門的なスキルを有しているため、あらかじめ求めるスキルが設定されている「ジョブ型」の求人にも応募することができます。
進学や就職の選択肢もこれまで以上に選びやすくなるでしょう。
授業の1/3以上は実習・実技
専門職大学では、卒業に必要な単位の1/3以上を実習・実技の授業とする必要があります。本学でも3・4年次のカリキュラム中の20単位(計660時間)以上をインターンシップとして企業現場で実践的に学ぶ時間にあてています。
実際の現場で学ぶことで、以下のようなメリットを得ることが可能です。
- スキルや職業人としての意識や態度などの適応力
- 実際に社会に出た後で遭遇するさまざまな問題に対する解決力
学生のうちに将来目標とする現場を体験できるため、知識やスキルだけでなくビジネスマインドを養えます。
一般の大学生は自身でインターンシップ先を探す必要がありますが、専門職大学は大学としてインターンシップの機会が設けられているため、希望する分野の企業に実習として参加することができます。
また、通常はインターンシップを受け付けていない企業への参加が可能になることもあります。
長期実習によって、それまで頭の中だけで抱いていた働き方や仕事に対する明確なビジョンが具体的になるでしょう。インターンシップでの経験は、就職活動や仕事を選ぶときも役立ちます。
東京情報デザイン専門職大学の取り組みや実習先について詳しくはこちら
5年以上の実務経験と高度な実務能力を有した教員から教育を受けられる
本学では、情報・情報技術・デザイン・ビジネス、それぞれの分野に関して、研究経験豊富な教員と実務経験豊富な教員が在籍しています。
実務家教員は5年以上の実務経験と高度な実務能力を有しており、「現場の知識」や「最先端のスキル」などを学ぶことができます。本学では約7割が実務家教員です。
また、最新の設備・機材を整えているため、現場に近い形で学ぶことが可能です。
授業は原則40人以下の少人数制
専門職大学の授業は、原則1クラス40人以下の少人数制で行うことと定められています。本学でも原則40人以下の少人数制授業を基本にしています。
一般的な大学の講義では一度に100人以上の学生が受講するスタイルも珍しくありません。そのため、一人ひとりの細かい成長まで目が行き届かないこともあるでしょう。学生側からも授業中に疑問が生じた場合でも、すぐに教員に質問できないケースも想定されるでしょう。
対して、専門職大学では少人数制で授業を行います。
教員と生徒は近い距離感を保つことができるため、教員側からしても一人ひとりに目をかけやすく、学生側としても何か疑問や不安点が生じたとき、その場ですぐに質問しやすくなるというメリットがあります。
また、本学では「学修サポート」として、担当の教職員が毎日常駐し学生が学びの中で不明な部分を確認することができる学習支援センターが設置されています。
綿密なコミュニケーションと教育体制が整っている点は、専門職大学の大きなメリットだといえるでしょう。
専門職大学と大学の違い・専門学校との違いとは
ここからは、専門職大学の特徴についてみていきましょう。実習の多さや一人ひとりに焦点を当てられる授業体制など、これまでの大学制度との違いを把握しておくことが大切です。
専門職大学 | 専門学校 | 大学・短期大学 | |
---|---|---|---|
修行年限 | 大学:4年 短期大学:2年または3年 |
主に2~4年 | 大学:4年または6年 短期大学:2年または3年 |
学位・称号 |
大学:学士(専門職) |
専門士、高度専門士 |
大学:学士 |
目的 | 産業界と連携。学校及び実際の職場で、理論や知識とともに高度で実践的な能力を養う | その職業に特化した内容を学び、知識やスキル、必要な資格を取得する | 幅広い教養を身に付けるとともに、学術研究を通じて理論や知識を学ぶ |
教員 | 業界に精通した実務家教員(専任教員の4割以上)と、理論や学術に詳しい研究者教員 | 業界に関する知識や高度な技能を持つ教員 | 専門的な学問に精通した研究者教員 |
実習内容 | 600時間以上(本学においては660時間)にわたる、長期の企業内実習(インターンシップ)を行う | 資格取得のための実習や即戦力を育成するための実習(インターンシップ)などを行っている学校が多い | 実施内容は大学・学部などにより大きく異なる(ただし、資格や免許取得の必須事項として規定されている場合を除く) |
とくに専門職大学では、600時間以上の長期企業実習が必ずある点が特徴的です。一般的な大学などでは、インターンは学生の意向によって全く存在しないケースもあります。そのため、通うことで特定業界に精通した人材になれる点は専門職大学の魅力だといえるでしょう。
東京情報デザイン専門職大学で学んだことを活かせる分野
本学が人材育成のコンセプトとしている「情報技術を利用して新しい価値を創造する情報デザインエンジニア」は、今後需要が増えて行くことが予想されます。 ここでは、本学で学んだことを生かして活躍できる主な職種をみていきましょう。いずれも今後の需要増加の可能性が高く、将来性を見込める職種です。
システムデザイン
ITエンジニア・ICTエンジニア
情報技術に関する専門的な知識・スキルを持って働く技術者の総称です。システムエンジニアやプログラマーをはじめ、さまざまな業種があります。職種によって大きく業務内容が異なるため、自分に合うものを選択することが大切です。 IT技術が好きな人、最先端の技術に興味のある人に向いている職業といえるでしょう。
システムエンジニア
顧客から話を聞き、必要とされるシステムを作り上げます。顧客の話からニーズを読み取るヒアリング力や必要事項をメンバーや顧客に伝えるコミュニケーション力が大切になります。要件定義を行い、設計に落とし込む論理的思考力などをフルにいかせる仕事です。
プログラマー
コンピューターを動かすために必要なプログラムを構築する職業です。システムエンジニアがヒアリングして設計したプログラムの仕様書をもとに、プログラミングによるシステム開発を行います。 プログラマーはさらに詳細に分類できます。それぞれの分野で、必要とされる言語や専門知識が大きく異なるのが特徴です。
- Webプログラマー:Webサイトの作成やWebサービス上のシステム開発を行う
- アプリケーションプログラマー:スマホやPCにインストールして利用するアプリを開発する
- ゲームプログラマー:ゲームに関するプログラミングを行う
ほかにも、Wi-Fiなどのネットワークに特化した通信系プログラマー、電子機器制御のための開発を行う組み込み系のプログラマーなど、幅広い分野で活躍できます。
IoTデザイン
IoTエンジニア
インターネット通信を利用して情報のやり取りを行うことにより、今までにない新しい価値を創造・提供する仕事です。例えば、外出先からスマホを利用して自宅のエアコン操作を行う、外出先から自宅で留守番しているペットの様子を見る、といったことはIoT技術によって可能となります。 自動車の自動運転技術をはじめ、医療や物流・製造業・農業など幅広く活用されており、将来にわたり需要の増加が期待されている分野です。人手不足を補う・新たな技術革新のためにも、さまざまな分野で活躍できる職業の1つといえるでしょう。
ロボットエンジニア
ロボットの開発や設計を行うエンジニアです。ロボットは医療・介護・製造をはじめとした幅広い分野で活躍可能です。 今後、人手不足が危惧される中で多くの業界でロボットの需要は増加していくと予想されます。仕事内容は、顧客のヒアリング、課題解決のためロボットの仕様・用途を決定、開発、実証実験、運用保守など多岐にわたります。
AIデザイン
AIエンジニア
AI(人工知能)の開発・構築・運用などを行います。AIの開発をはじめとして、AIへの学習、場合によってはその後の分析など幅広い対応が求められる仕事です。また、AIシステムの開発だけでなく運用に関するフォローや保守・修理などを行うこともあります。 AI開発を行う企業や産業は年々増加傾向にあることから、将来性が期待できる職業の1つだといえるでしょう。
AIサイエンティスト・データサイエンティスト
AIが集めた膨大なデータの解析・分析は、AIサイエンティストが担当します。対して、データサイエンティストはAIから収集したデータだけでなく、ビッグデータをはじめとしたさまざまな情報の収集・抽出・分析なども行います。 業務内容は、データのクレンジングや加工、分析内容との照合、レポート作成など多岐にわたります。場合によっては、分析結果をもとに課題解決を行うこともあることから、高度な知識やスキルを活かすことができる仕事です。
サイバーセキュリティデザイン
サイバーセキュリティエンジニア
ネットワークやシステムをサイバー攻撃などから守り、安全確保を専門に担当する職業です。セキュリティに配慮したシステムの設計や構築、運用などを行います。 業務内容は企業や職場によって大きく変化する点も特徴の1つです。企画・提案から設計・実装・テスト・運用まですべて行うこともあれば、その中の1つの工程を専門として担当するケースもあります。日進月歩するサイバー攻撃を未然に防ぐため、常に新情報を収集し技術を磨く必要がある点から、やりがいのある仕事といえるでしょう。
ネットワークエンジニア
ネットワークの設計・構築・運用・保守などを行う仕事です。ヒアリングを行うことで顧客の要望を聞き出し、要件をまとめニーズに合うネットワークを構築します。 IT関連の専門知識のないクライアントが運用する場合は、専門用語や現状をわかりやすい言葉でクライアントに説明するためのコミュニケーション能力なども必要です。
CGデザイン
CGデザイン
CG(コンピュータグラフィックス)関連のソフトウェア設計や開発を行う仕事です。ゲーム・Web関連・映画・アニメーションといった分野から需要があります。 具体的には、CGデザイナーが利用するソフトウェア、ハードウェアの開発・ゲーム内のデジタル画像技術関連のシステム設計や開発などを行います。AIなどの新しい技術と連携したCG技術の研究・開発など、幅広い分野での活躍が期待される職種です。
VR/AR/MRエンジニア
VR(仮想現実)・AR(拡張現実)・MR(複合現実)をはじめとしたxR市場は、急速な拡大を続けている市場の1つです。ゲーム業界だけでなく、ショッピングや旅行、医療や製造業などにおいても今後広く発展していくと想定されている技術です。 そのため、各分野の開発を行うxRエンジニアの需要は今後も増加するでしょう。
デジタルエンターテイメントデザイン
ゲームエンジニア
ゲームエンジニアは、企画立案や打ち合わせ、制作、出来上がったゲームの動作チェックなどを行いながら、ゲームを作り上げていく仕事です。規模や種類によって、プロジェクト期間や請け負う業務内容が変化します。 ゲームプログラマーをはじめ、グラフィック・サウンド・ネットワークなどゲーム関連の一部について専門的に担当するケースもあります。チームで行うことが多く、エンジニアとしてのスキルだけでなくコミュニケーションスキルも必要となる仕事の1つといえるでしょう。
ゲームプログラマー
ゲームプログラマーは、プログラミングによってゲーム制作を行う仕事です。用意されたシナリオや演出に合わせた動作や流れをプログラムとして実装していきます。 ゲームクリエイターやデザイナー、ディレクターたちと意見を出し合いながらゲームを作り上げていきます。コミュニケーションスキルや論理的思考を活かすことができる仕事です。
アプリ開発エンジニア
パソコンやスマホで利用するアプリ、企業が業務で利用する業務系アプリの開発・運用などを行います。要件定義・システム設計・コーディング・動作テスト・アプリの保守、運用など、仕事内容は多岐にわたります。 幅広いスキルや高い専門性を活かすことができる仕事です。
東京情報デザイン専門職大学で進路の幅を広げよう
専門職大学は、専門的な知識だけでなく、社会に出てすぐに活躍するための技術や思考力をあわせて身に付けることができる新しい制度の学校です。そのうえで、本学で情報デザインを学ぶことでIT関係の進路の幅が広がります。
今後、情報デザインの需要は増加していくと想定されます。金融・医療・農業をはじめ、スポーツ・エンタメ・教育など、幅広い業界で情報デザインに特化した人材の活躍の場があるためです。
加えて、一クラス40人以下の少人数で授業を行うため、わからないことや疑問点が出てきた場合もすぐにその場で解決できます。
3・4年次に行う合計600時間以上のインターンシップの中では、最先端技術や仕事に対する意識にふれることに加え、社会に出ると必要になる「問題解決能力」を養うことができます。
大学卒業と同等の「学士(専門職)」学位が取得できることから、卒業後は就職だけでなく、留学や進学の道を選ぶことも可能になります。IT業界に対して強い興味のある方は、東京情報デザイン専門職大学を進路の1つとしてみませんか。
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