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Interview
07

Toshihiro
Matsui

すべての情報技術は、
人の思いから生まれる。

情報デザイン学部の松井俊浩学部長と、
同学部1年の在学生2名による世代を超えた対談セッション。
時代による情報技術の変化を読み解き、未来へのヒントを探る。

東京情報デザイン専門職大学 学部長
松井 俊浩

電子技術総合研究所知能システム部、(国研)産業技術総合研究所デジタルヒューマン研究センターセンター長代理、 セキュアシステム研究部門長、スタンフォード大学ロボットラボ、MIT-AIラボ、オーストラリア国立大学システム工学研究所の客員研究員、 2N3EDO技術戦略研究センター電子情報機械システムユニット長、情報セキュリティ大学院大学客員教授。NEDO研究評価委員

すべての情報技術は、
人の思いから生まれる。

学生:松井学部長は高校時代にIT分野を目指すようになったとお聞きしました。そのきっかけを教えてください。

松井:私が高校生の頃は、”IT”という言葉すらない時代でした。コンピュータといえば電子式卓上計算機しかなく、もちろんネットワークもありません。当時の私は電子工作が好きで、アマチュア無線などに夢中でした。そのうちに、電卓とは違う8ビットのマイクロコンピュータが出てきて、電子工作の延長線上のような感覚で、自作で組み立ててみたのです。それで遊ぶために、今度は自分でプログラムを組んでソフトウェアをつくるようになりました。小さな要素をブロックのように重ねていくとシステムができる、簡単なものを組み合わせて大きなものができる、その仕組みが興味深いと思いました。電子回路だとすぐに失敗してしまうことも、デジタルなら簡単にできる、それもかなりうまくいく。 それがおもしろくて、IT関係に舵を切っていったという感じですね。

学生:松井学部長の学生時代と現在の情報社会を比較して、大きく変化したのはどういった点ですか?

松井:昔のマイクロコンピュータはむき出しの機械なので、動きがよくわかります。しかし今は、ゲームマシンにしてもスマートフォンにしても、フタを開けることができませんよね。そうすると、技術の真髄から距離を置かざるを得ないので少し残念です。すごく良い道具を使えても、その本当の良さを肌で感じることができませんから。
もちろん、今のほうが恵まれている点もたくさんあります。たとえば、「誰でも情報を発信できる」ということ。昔は皆、情報に対して受け身でしたが、今はSNSでもWebサイトでも、情報を出したいと思う人がいれば、簡単にすぐできる。 それがあたりまえの時代になっているというのは大きな違いだと思いますね。

スマートシティに興味を持って入学しました。
今後さらにIoTが求められていくんですね。

学生:情報デザインの中で、今後さらに重要度を増してくるのはどの分野ですか?

松井:私の担当科目でもありますが、”IoT”と”セキュリティ”に重要性を感じています。まずIoTがおもしろいのは、どこまでも広がっていけるという点です。 パソコンはIoTではありませんが、これは人間が操作するものなので、ある程度の人々に行き渡れば、それ以上増えることはできません。しかしIoTは、人間とつながりのないところで、どんどん増え続けていきます。自動車の中、監視カメラやプリンター、水道やガスのメータと、あらゆるところで自律的に働きます。それらがつながり合うことで、スマートホームやスマートシティといった統合的なシステムの自動化も実現します。こうして、人ではなくモノとつながって増えていくIoTの成長は、モノづくりと密接な関係を持ちます。世界から必要とされるモノをつくらなければ、IoTもそれに載って広がっていくことができません。かつて”モノづくり大国”と言われた日本の価値を、もう一度見つめ直す時ではないでしょうか。
日本の価値を示すもうひとつの指標は、セキュリティにあると考えています。 あらゆる側面で日本が安全安心だということは、高く評価されています。長い間ずっと安全でいられて、それを価値にできる国というのは、他にはあまりないはずです。モノづくりでも、「日本がつくったなら安心だ」という信頼があります。日本というブランドの価値とセキュリティは非常に近い関係にありますので、IT分野においてもその価値を強調していけたらと考えています。

セキュリティのことを知った時「これやりたい!」と直感しました。
早く専門的に学びたい。

学生:私たちのように、これから情報デザインを学ぶ学生たちに何を望まれますか?

松井:これからいろいろなことを学んで、この世界がある程度わかってくると、「これはもう誰かがやっただろう」とか「別に私がやらなくても」と思って傍観してしまうことがあるかもしれません。それよりも「自分はこれがやりたいんだ」「自分にはこれしかない」という思い込みを生かしてほしい。思いを持たずに、必要なことを満遍なく勉強していては、AIに勝てません。学んだことを活かして何をつくるのか、何を実現したいのか、その思いの部分が”デザイン”です。コンピュータも、スマートフォンも、Webのシステムも、さまざまなアプリケーションも、すべて誰かの強い思いがあって生まれてきました。 ただ知識や技術だけを身につけても、誰かの思いを形にする人にしかなれません。この大学では、自分の好きなこと、やりたいことを見つけて、とことんのめり込んでください。がむしゃらに何かやってみるという経験は、追い込まれればそれができるという自信にもつながります。きっとかけがえのないものとして、あなたの中にずっと残っていくはずです。

学生:ありがとうございます。まだ土台づくりの段階ですが、一歩一歩、やりたいことに近づいていきたいと思います。

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