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Ryuji
Odate

利用者が本当に求めていることを知り
エンタメで解決していく

ゲーム制作演習を受け持つ、元バンダイナムコの
大舘先生と、その生徒たちが日々取り組んでいること、
そしてゲーム制作を学ぶ意義を語り合う。

東京情報デザイン専門職大学 准教授
大舘 隆司

バンダイナムコスタジオにて『テイルズ オブ』シリーズに携わる。ゲームスタジオGYAAR Studioを経て2023年より本学にてゲーム制作演習·実習、ゲーミフィケーション論、情報デザイン演習·実習などを担当する。

利用者が本当に求めていることを知り
エンタメで解決していく

学生:大舘先生が授業や学生との接し方で意識していることはなんですか。

大舘:学生たちが自分で考え、主体的にゲームを開発できる演習を目指しています。具体的にはプロのゲーム開発スタジオとともに、学生たちがゲームを制作していく産学連携のプロジェクトをスタートさせました。「仕様書」と呼ばれるゲームのアイディアのラフとなるものを、学生に共有し、そこからどう膨らませていくのか、学生たちと考えながら、プロがゲームを作っていく過程を一緒に体験してもらいます。私は長くゲーム会社に勤めていましたから、学生たちにも、会社の企画部の新人に接するのと同じようにしているつもりです。アート性やクリエイティビティだけではなく、経済活動として、ビジネスとしての視点で、どういうゲームが社会に求められているのかを考えることを身につけてほしいと思っています。 bbb

学生:具体的にはどのようなゲームを演習の中で作る予定でしょうか。

大舘:「シリアスゲーム」と呼ばれるカテゴリーのゲームを考えています。これは例えばファーストフード店のマニュアルや、家電の取り扱い説明など、本当に理解しようと思ったら、説明書を何百ページも読まなくてはいけないところを、ゲームを数回プレイすることで、理解できるようになるというもの。社会問題や教育課題解決などにも応用することができます。いわゆる普通のゲームだと「おもしろい」「おもしろくない」は主観で、人によって違います。しかしシリアスゲームとなれば、利用した人がその課題·説明を理解できたか、できないか、すなわちゲームの出来がいいか悪いかが明確です。学生が課題をどう理解し、どう説明·表現したら利用者に伝わりやすいか、お客さんの需要やニーズも考える必要があり、最初につくるゲームとしては最適なのではと考えました。

授業からどんどん興味が
広がって学ぶことが楽しい

学生:実際の企業の方と関わりながらゲームつくれるということはとても魅力的です。またこのシリアスゲームというものも、普段の生活で知ってはいたので、それを自分がどうつくっていくか考えられるというのはとても楽しみです。</b >

大舘:皆さんは新設大学の1期生、自分たちで挑戦しやりたいことに躊躇なく進んでいく学生が多いですね。また現在は、ちょうどAIなどによる大きな技術革新が起こり始めている時期です。平成の時代で、これまで当たり前とされていたことが、確かなものではなくなり、まったく新しいものをつくり出せる転換期にあります。そんな時期に、学び、将来を考えられるのはとても素晴らしいことだと思います。

学生:1期生ですので、入学時はサークルがありませんでしたから、私たちは大舘先生に相談しながら、ゲーム制作サークルを立ち上げ、現在30名ほどのメンバーが集まってくれました。そのメンバーが中心になって、このゲーム制作の演習を進めているところです。

大舘:サークルの学生たちとは、ゲーム制作に必要なソフトのインストールから、一緒にやりましたね。知識が0のところからでも、興味があれば挑戦できる環境にあります。

学生:今後、ゲーム業界はどうなっていくと思われますか?

大舘:親の世代ですと、「ドラクエ派」か「ファイナルファンタジー派」か、なんてひとつひとつのゲームに夢中になっていましたが、実は学生たちの世代は、ゲームそのものには夢中になっていないんです。動画配信サービスや音楽のサブスクリプションなどなど、さまざまなサービス·コンテンツのひとつとしてゲームを捉えている傾向です。だから「ゲーム」は、それそのものではなく「デジタルコンテンツ」「デジタルエンターテインメント」という形にこれからどんどん変わっていくでしょう。けれどどんなメディアになっても、遊び心、エンターテイメント性は求められ続けます。今「ゲーム」からエンタメを学ぶことで、新しいメディアおよびエンタメへと昇華させていくことが、学生たちは今後できるでしょう。そしてもっといえば、ゲーム業界で働くことは、サービス業界で働くことだと私は思っています。どのように人を楽しませるか、人は何を欲しているのか、それを常に探る仕事ですから。そしてここで学んだ学生たちが、ゲームではなくて、他のエリアで人を楽しませることを目指してもいいわけです。だから、世の中に自分が社会人として関わっていくことの面白さを体験する機会を、学生たちに多く提供することが私たちの責任だと思っています。

ゲーム制作を通じて
仲間の大切さも実感してます

学生:私はゲームを作りたくて、この学校に入りました。ゲーム作りに直接関係なくてもCGについて知っておいた方がいいと、勉強をしてみたり、高校時代は積極的に人に話しかけるのは苦手だったのですが、サークルに人を集めるためにはどうしたらいいか、考えて動いてみたり。ゲーム制作を学びながらも、それ以外のことにも多く時間を使って楽しんでいる自分も、日々発見しています。

学生:僕も本学の授業でデザインを学びながら、CPS(サイバーフィジカルシステム)についても興味が出てきて、自分で勉強を始めました。

大舘:いろいろなことに興味を持って挑戦、学びを始めている学生たちから、私自身も日々刺激を受けますよ。

学生:ゲーム業界、およびTIDには今後どのような人に入ってきてもらいたいとお考えですか?

大舘:自分がつくったものに、人が喜んでくれた、そういう成功体験がある人が向いていると思います。料理とか、イラストとか、なんでもいいんです。そして基本的に人が好きであることが大事だと私は思います。なぜなら私が、ゲーム制作の基盤にしているのが「人」だからです。道ゆく人を観察し、「この人はどういうものを日々楽しんでいるのだろう」「どういうものが好きなんだろう」と勝手に妄想して日々プロファイリングをしています。人に関心があるから、人を分析し、その人たちが喜ぶサービス、ゲームを作ろうと思えるのではないでしょうか。そしてこれから日本は、データやデジタルによってサービス、社会や生活の形を変化させるDX化が進んできます。そのためのエンジニアが多く必要になってくるでしょう。技術に加えて、エンタメ性、人を喜ばせることができるゲームづくりへの考え方を持つことができたら、きっと職業人として、おおいに羽ばたくことができると思います。そしてその考え方は、ゲームづくりに限らず、どんな仕事にでも、必ず役立つはずです。

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