プロンプトエンジニアリングとは?初心者向けにわかりやすく徹底解説!
澁谷 利行 教授(東京情報デザイン専門職大学)
担当科目:論理学 / プログラム言語処理系 / アルゴリズム / コンピュータアーキテクチャ / 並列計算 / 臨地実務実習Ⅰ / ビジネスデザインⅠ / ビジネスデザインⅡ
経歴:東京情報デザイン専門職大学 教授。
富士通研究所において、スーパーコンピューターの設計自動化技術や特定用途向け専用並列プロセッサ技術、AI/IoTによる次世代ものづくり技術、量子アニーリングによる数理最適化技術などの研究を行ってきた。現在ではAIや数理最適化技術の産業分野への応用研究に携わっている。
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近年、ChatGPTなどの生成AIの普及により「プロンプトエンジニアリング」が注目を集めています。
「プロンプトエンジニアリングって最近よく聞くけど一体なんだろう?」
「プロンプトエンジニアリングを学ぶメリットを知りたい」
「生成AIで思った通りの回答が返ってこない」
といった悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか?
この記事では、プロンプトエンジニアリングの基礎知識から学習方法、活用事例までを初めての方にも分かりやすく解説します。この記事を読むことで、プロンプトエンジニアリングに関する疑問や悩みを解決できるでしょう。
プロンプトエンジニアリングを学習したい人、プロンプトエンジニアリングでさらに生成AIを活用したい人は、ぜひ参考にしてください。
記事の概要
プロンプトエンジニアリングとは?

そもそもプロンプトとは生成AIに対して「何をして欲しいかを伝えるための入力文」です。普段我々が使っている日本語で書きます。もちろん、英語を含む外国語でも書くことができます。
そして、プロンプトエンジニアリングとは、大規模言語モデル(LLM)などの生成AIモデルに対して、適切なプロンプト(入力文)を書くことにより、期待する出力を得るための技術です。生成AIモデルって難しい言葉ですが、「インターネット上の何十億もの文や画像を学習して、人間のように自然な会話や文章生成ができるプログラム」だと思ってください。もっと分かりやすく言うと、「たくさんの本を暗記しているスーパーマン」だと思ってください。
ただし、残念ながら現実の生成AIモデルはスーパーマンではなく、プログラムです。生成AIは、人間のように行間に含まれる意図までは汲み取ってくれません。与えたプロンプト(入力文)によって、回答の質や内容が大きく変わります。そこで、プロンプトエンジニアリングが必要になります。プロンプトエンジニアリングとは、生成AIの性能を最大限に引き出すための重要なスキルなのです。
プロンプトエンジニアリングが注目されている背景と重要性
プロンプトエンジニアリングが注目されている背景には、AI技術の急速な発展があります。
近年、ChatGPTに代表されるような高性能な生成AIが次から次へと登場しており、その応用分野は、①言語生成(質問応答、対話、要約、翻訳)、②プログラミング(コード生成、コード修正)、③画像・映像・音声生成、④データ分析・ビジネス応用(レポート・資料生成、要件定義)へと広がっています。
生成AIを効果的に活用するためのプロンプトエンジニアリングは、AI時代における必須スキルとして注目されています。
プロンプトエンジニアリングの高いスキルを持つことで、生成AIから質の高い回答や成果を得ることができ、業務効率化や生産性向上、新しいアイデアの創出など、さまざまなメリットが得られます。
プロンプトエンジニアリングの基本

プロンプトエンジニアリングには、いくつかの基本となるテクニックがあります。ここでは、プロンプトエンジニアリングの基本について解説します。
具体的な指示を与える
生成AIは、人間のように行間に含まれる意図までは汲み取ってくれません。プロンプトでは、生成AIに対してできるだけ具体的で明確な指示を与えることが重要です。指示が曖昧だと、AIは意図を正確に理解できず、期待する回答が得られない可能性があります。
例えば、「〇〇について教えて」と指示すると、生成AIは何を、どこまで詳しく教えたら良いのか分かりません。そこで、「〇〇の概要とメリット・デメリットを3つずつ教えて」のように具体的に指示することで、より質の高い回答を得ることができます。
役割を与える
生成AIは、あなたがどのような立場でプロンプトを書いているのかは理解できません。生成AIは同じ質問でも、高校生向けに分かりやすく説明してくれることも、専門家向けに専門的に説明することが可能です。そこで、プロンプトで生成AIに特定の役割を与えることが有効です。生成AIに役割を与えることで、質問者の立場に合わせた回答が期待できます。
例えば、生成AIに「あなたは高校1年生です」と指示をすれば、高校1年生の知識に合わせて、また「あなたは〇〇の専門家です」と指示することで、その専門的な知識や経験に基づいた回答が得られるでしょう。
回答形式を指定する
検索エンジンと生成AIの大きな違いは、欲しい情報を欲しい形式に変換してくれるところです。生成AIに対して、プロンプトで適切な回答形式を指定することで、情報を必要な形式で得ることができます。。
例えば、表形式や箇条書きなど、希望する回答形式を指定することで、情報を比較検討しやすくなるでしょう。
前提条件や制約条件を指定する
生成AIは、人間のように行間に含まれる意図までは汲み取ってくれませんが、指定された文脈は考慮してくれます。プロンプトで文脈となる前提条件や制約条件を指定することで、AIの回答を特定の文脈や条件に絞ることができます。
例えば、「友情をテーマにして、高校生が登場人物の物語の概要を400字で書いて」のように指示することで、特定の条件に合致した回答が得られます。
段階的に指示を与える
生成AIに対して、複雑なタスクをお願いする場合、一度に全ての指示を与えるのではなく、段階的に指示を与えることで、指示内容を確認しながら、指示内容のタスクを着実に実行するとができます。これは人に対して、何かお願いする場合も同じですね。
例えば、文章作成のタスクを依頼する場合、まず最初のステップとして構成案を作成させます。次のステップとして、その構成案にもとづいた各章の要約を作成させます。最後に文章全体を作成させるなど、段階的に指示を与えることで、より質の高い文章を作成できます。
プロンプトエンジニアリングの可能性
プロンプトエンジニアリングを習得することには、単なる質問に対して回答が得られるだけでなく、さまざまな可能性が秘められています。
業務効率化や生産性向上につながる
プロンプトエンジニアリングは、日常的な業務効率化や生産性向上に大きく貢献します。
例えば、簡単な文章作成やデータ分析などの業務を生成AIに指示することで、準備を含めた作業時間を大幅に短縮できます。
新しいアイデアや視点が得られる
プロンプトエンジニアリングは、新しいアイデアや視点を得るための有効な手段です。
生成AIに特定のテーマについて質問することで、一人で考えていたのでは思いつかないような視点で考察することができ、新しいアイディアに結びつけられることがあります。
個人的なアシスタントとして活用できる
プロンプトエンジニアリングを習得することで、生成AIを個人的なアシスタントとして活用できます。
例えば、生成AIにあたたのアシスタントの役割を指示し、スケジュール管理、タスク管理、情報収集などを依頼することで、日々の業務を効率化できます。
プロンプトエンジニアリングの注意点

プロンプトエンジニアリングはうまく活用すれば、とても有効なツールですが、注意点もあります。
プロンプト作成に時間がかかる場合がある
プロンプトエンジニアリングにおいて、1回の質問で求めていた回答が得られれば問題ありませんが、必ずしもそうと限りません。場合によっては、プロンプト作成に試行錯誤が求められ、予想以上の時間がかかることがあります。
常に正しい回答が得られるとは限らない
生成AIは、学習されたデータに基づいて統計的に正しいと判断した結果を回答しているに過ぎません。そもそも学習されていないことを聞かれたり、データが十分に集まっていないことを聞かれたりすると、正しい回答は得られません。そのため、AIの回答を鵜呑みにせず、批判的に検討することが重要です。
情報漏洩のリスクがある
外部クラウドで動作する生成AIにおいて、プロンプトエンジニアリングで機密情報や個人情報を含むプロンプトを入力する場合、情報漏洩のリスクが発生します。
安易に機密情報や個人情報をプロンプトとして入力しないように注意が必要です。どしても機密情報をプロンプトにする場合には、機密情報を直接書かないような修正をした上で、レビューを行う必要があります。また、外部クラウドの代わりに個人や会社のローカル(オンプレミス)環境で生成AIを動作させて使うことにより、機密情報が外部に流出することを防ぐ方法もあります。
プロンプトエンジニアリングの学習方法
プロンプトエンジニアリングは、独学でも十分に習得可能です。ここでは、プロンプトエンジニアリングの学習方法について解説します。
書籍やWebサイトで学習する
プロンプトエンジニアリングに関する書籍やWebサイトは多数存在します。これらの教材を活用することで、プロンプトエンジニアリングの基礎知識やテクニックを手軽に自分のペースで学習できます。
オンライン講座を受講する
プロンプトエンジニアリングに関するオンライン講座も多数開講されています。オンライン講座では、実践的な演習を通して、プロンプトエンジニアリングのスキルを体系的に習得できます。
実際にAIを操作してみる
プロンプトエンジニアリングを習得する上で、実際にAIを操作してみることが最も重要です。さまざまなプロンプトを試すことで、AIの特性や効果的なプロンプトの作成方法を体感的に学ぶことができます。
プロンプトエンジニアリングツールを活用する
プロンプトエンジニアリングツールを活用することで、プロンプトの作成や管理を効率化できます。
プロンプトエンジニアリングツールには、プロンプトのテンプレートやサンプルが用意されているため、初心者でも簡単にプロンプトを作成できます。
まとめ
プロンプトエンジニアリングは、生成AIの性能を最大限に引き出すための重要なスキルです。プロンプトエンジニアリングを習得することで、業務効率化や生産性向上、新しいアイデアの創出など、さまざまなメリットが得られます。
プロンプトエンジニアリングは、独学やオンライン講座などで学習可能です。ぜひプロンプトエンジニアリングを習得して、生成AIを効果的に活用してください。
このコラムでは触れませんでしたが、プロンプトエンジニアリングにおいて、本格的に生成AIの性能を最大限に引き出すには、機械学習を含めたAIやデータサイエンスの知識と、プロンプトエンジニアリングで解決したい実践的なビジネスなどの課題の理解が必要になります。
東京情報デザイン専門職大学では、AI/データサイエンス・IT・ロボット・ゲーム・セキュリティ・CGの分野のプロを目指す大学です。大学で学んだ内容を2~4年次に合計600時間以上にも及ぶ長期インターンシップのなかで、ビジネス現場における実践的なスキル・知識を学ぶことが可能です。
さらに詳しく知りたい方は、プロンプトエンジニアリングに関する体験型の模擬授業をオープンキャンパスで開催していますので、ぜひお越しください。
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