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お仕事解説

AIと職業 AIによって働き方や求められるスキルはどう変わるの?

 

PROFILE

澁谷利行 教授(東京情報デザイン専門職大学)

担当科目
論理学/プログラム言語処理系/アルゴリズム/コンピュータアーキテクチャ/並列計算/臨地実務実習Ⅰ/ビジネスデザインⅠ/ビジネスデザインⅡ

経歴
富士通研究所において、スーパーコンピューターの設計自動化技術や特定用途向け専用並列プロセッサ技術、AI/IoTによる次世代ものづくり技術、量子アニーリングによる数理最適化技術などの研究を行ってきた。現在ではAIや数理最適化技術の産業分野への応用研究に携わっている。

 

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最近、テレビやニュースで「AI」や「人工知能」という言葉をよく耳にするようになりましたよね。AIとは、人間のように考え、学び、判断することができるコンピュータ技術のことを指します。たとえば、スマホの音声アシスタントやレコメンド(推薦)システム、自動運転車技術、それらはすべてAIのおかげで使いやすくなりました。また、ChatGPTに代表される生成AIでは、指示されたことを、あたかも人間が書いたかのような文章を作ったり、また、聞かれた質問にも自然な会話として答えることができ、大きな話題になっています。

このAIの進化によって、働く場面でも大きな変化が起こっています。工場での製造ライン作業や事務処理のデータ入力、解析など、一昔前まで人が手作業で行っていた多くの仕事が、今ではAIによって自動化が進んでいます。これは、AIが人間よりも速く、正確で、疲れることなく働けるからです。

しかし、これによって「AIが私たちの仕事を奪ってしまうのでは?」という心配の声もあがっています。確かに、自動化できる仕事の多くはAIに取って代わられるかもしれません。しかし、その一方でAIが得意ではない分野や、人間だけができる仕事もたくさんあります。さらに新しい技術が生まれることで、今までになかった新しい職業も出てくるかもしれません。

これからどんな職業につこうかと考えている皆さんにとっても、この動きは大切です。未来の職業選びやキャリアデザインを考えるとき、今やAIの存在を無視することはできません。しかし、怖がるのではなく、むしろ積極的にAIとどう共存していくか、どう活用していくかを学ぶことが重要です。

このコラムを通して、AIが働き方や職業にどんな影響を与えているのか、どういうスキルが求められるのかを考えていきましょう。そして、AIとともに迎える新しい時代に自分たちがどう向き合っていくか、そのヒントを一緒に探していきたいと思います。

AIによる職種の変容

みなさんは、将来、どんな仕事をしたいと考えていますか。医者や教師、エンジニア、デザイナーなど、さまざまな夢があるでしょう。しかし、AIの発展により、これらの職種の中身や求められるスキルが変わってきています。

AIやロボットに自動化される職種

工場の製造ラインや簡単な事務処理のデータ入力など、繰り返し同じ作業をする仕事はAIやロボットが得意とする分野です。既に、一部の単純な仕事は人の手からAIに移行しつつあります。例えば、アマゾンなどの物流系の倉庫では、AIの力で最適なルート計算をして商品を運ぶロボットが活躍しています。

AIの普及で新しく生まれる職種

でも、気を落とさないでください。AIの登場により、新しい職種もたくさん生まれています。AIエンジニアやデータサイエンティストなど、これらは10年前には職種としては存在しなかった仕事です。AIの出現によって、AIと人間が協力して新しい価値を生み出す仕事が出現してきています。

人とAIの共同作業

すでにいくつかの職種では、AIを活用することで、より高度な仕事ができるようになると考えられています。例えば、医者。MRIなどの画像診断支援などのように、AIを使って病気の診断をサポートすることで、より正確で迅速な治療が可能となります。しかし、診断における最終的な判断や患者に寄り添ったコミュニケーションを取ることは、AIには難しいです。そのため、人である医者として求められるのは、専門知識はもちろんのこと、AIの活用方法やAIの限界の理解を深めること、さらには患者視点での医療情報の共有スキルがより重要になってきます。

人の感性を生かす職種

デザイナーやアーティスト、作家など、クリエイティブな分野では、人の感性や独自性がとても大切です。AIもデザインの支援や文章の生成を行うことができますが、最終的な判断や感じることは人間特有のもの。これらの職種は、AIの助けを借りつつ、人間の感性を最大限に生かすことが重要です。

この章を読んで、AIの時代にどんな仕事を選ぶか、あるいはどう活躍していくか、少しでも考えるヒントになれば幸いです。

スキルアップの重要性

AIの時代の仕事選びについて、考えるべき大切なことが一つあります。どんな職種に就くにしても、学び続けることが大切だということです。特に、AIが日常や仕事の中にどんどん浸透してくるこの時代には、自分自身のスキルアップが大きな鍵となります。

時代の変化と学び続ける理由

今までは入社した時に身に着けたスキルや技術をベースに、さらに経験を積むことにより、退職するまで勤め上げることも可能でした。しかし、最近のAIを含めた技術の進化は速く、その新しいスキルや技術を導入することで生産性が大きく向上することが分かってきており、これからの社会で活躍するためには、常に新しいスキルや知識、技術を学び、自分のものにする必要があります。

AIと共存するためのスキル

AIは計算やデータの解析が得意ですが、人間関係のコミュニケーションや創造的な思考、そして柔軟な判断は、AIが苦手としています。このような「人間らしい」スキルを磨くことが、AIの役割と人間との役割の違いを明確にし、共存していくための鍵となります。

AIなどの新しい技術を理解するための下地

今後を10年、20年という長い期間で考えると、現在では予想もできない新しい技術進化が起こると予想されます。そのための準備として、常にスキルや知識がアップデートできるための下地作りも大切となります。今、世の中から求められているスキルを学ぶだけでは、将来のアップデートに対応できる保証はありません。そこで、大学や専門学校において、コンピュータサイエンスの基礎から応用までを系統的に学ぶことにより、スキルや知識がアップデートできるための下地が作られるだけでなく、新しい技術への応用力も身に着けることができます。

最後に、スキルアップは、他人との競争ではありません。これからの人生で、どんな夢を叶え、どんな仕事をしていきたいか。そのために、どんなスキルや知識が必要か考えて、一歩一歩進んでいきましょう。

適応力変化変動・多様化時代のキーコンピテンシー

今まで、新しい技術に関するスキルアップの話をしてきましたが、そもそもスキルがあっても、AIなどの新しい技術や考え方を受け入れる適応力がないと何も始まりません。つまり、古い常識や固定観念にとらわれず、新しいことや変化変動を受け入れるオープンなマインドが必要となります。技術の発展だけでなく、労働環境などにも多様性が求められる現代、それらを受け入れ、柔軟に対応し、自分のものにする適応力こそ、これからの時代を生き抜く重要なスキルとなります。

適応力を育てる方法

では、適応力をどのようにして育てることができるのでしょうか。まずは異なる文化や価値観に触れる経験を増やすことです。旅行や留学、インターネットを使って異なる背景を持つ人々との交流は、視野を広げるとともに、多様性を受け入れるマインドも育てます。また、新しいことにチャレンジすることも大切。失敗を恐れず、様々な経験を積むことで、柔軟な思考が身につきます。

人との関わりの中での適応力

人間関係もまた、適応力が試される場面が多いです。友人や家族、将来の職場での同僚や上司とのコミュニケーションは、予測しづらいことが多いものです。感情や意見の違いを受け入れ、共に働きやすい環境を作るための適応力も非常に重要です。学校などのグループワークの中での役割やリーダシップを経験することも、人間関係の中での適応力を育てるきっかけになります。

日常の中で自分の思い通りにいかないことがあると思います。そんな時こそ適応力を高める良いチャンスだと意識し、失敗を恐れず経験を積むことで、成長につながります。これからの多様化時代を生き抜く力を、一緒に身につけていきましょう。

まとめ:AIと共に歩む新しい時代への準備

最近のAIの進化は驚異的で、既に私たちの生活や仕事に大きな変化をもたらしています。しかし、大事なのは技術だけではなく、私たち一人一人の考え方や取り組み方です。

AIが得意とする計算やデータ分析といったスキルは確かに大切ですが、それと同じくらい人間だけが持つ感情やコミュニケーション能力、創造性も重要です。未来の仕事の多くは、AIと人間が協力して成し遂げるものとなるでしょう。

今、皆さんに期待することは、新しいスキルや技術を学びつつ、自分の特長や強みを見つけ、それを伸ばしていくこと。そして、変化や多様性を恐れずに、むしろ、それらを受け入れる適応力を育てることです。

AIと共に歩む新しい時代を迎える準備は、今から始められます。皆さんの可能性は無限大。未来を作るのは、皆さん自身です。勇気を持って、新しい時代に挑戦しましょう。

 

 

 

 

 

 

 

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