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ホワイトハッカーとは?ホワイトハッカーになる方法や仕事内容を詳しく解説

ホワイトハッカー

PROFILE
村上 博 准教授(東京情報デザイン専門職大学)

担当科目
セキュリティ基礎 プログラミング応用 / サーバー構築技術 / セキュアプログラミング / リスク分析とインシデント対応 / セキュリティ監査実習

経歴
株式会社ITブレインにて公官庁自治体を対象に監査、脆弱性診断、マルウェア解析などの情報セキュリティ業務に従事。Global、Youth、Objective、Purpose、Intelligenceを理念とする情報処理技術者試験研究会「ぎょぴ研究会」(通称・ぎょぴ研)代表。保有資格:ITサービスマネージャ、情報処理安全確保支援士、テクニカルエンジニア(ネットワーク)、応用情報技術者など多数。

 

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テレビ番組や映画のなかで「ホワイトハッカー」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。巧妙化するサイバー犯罪から企業や国家が持つ情報を守るためにホワイトハッカーの存在が注目されています。

本コラムではホワイトハッカーになる方法や仕事内容、必要な資格について詳しく解説していきます。

そもそもハッカーとは

ハッカーには2種類ある

まずはハッカーという言葉の意味からみていきましょう。

ハッカーと聞くと、不正アクセスをするような犯罪をイメージされる方も多いかもしれません。しかし、ハッカーとは一般的にコンピュータやセキュリティの高い知識や技術を持つ人のことを指しており必ずしも悪い意味は含まれていないのです。

ホワイトハッカーとは

ハッカーにはホワイトハッカーとブラックハッカー(クラッカー)の2種類があります。両者ともに高い技術と知識を持っていることは共通していますが、そのスキルをサイバー犯罪から守るなどの良いことに使うとホワイトハッカー、犯罪などの悪いことに使うとブラックハッカーとよばれるのです。

ホワイトハッカーは、サイバー犯罪への対処や情報セキュリティの強化、保護する専門家のことを指します。システムの弱点を特定し、組織や企業のセキュリティを向上させます。倫理的な指針に基づいて行動し、セキュリティの強化や脆弱性の発見を目的としているのです。

セキュリティエンジニアやサイバー犯罪捜査官との違いは?

実は、ホワイトハッカーは正式な職業名でなくセキュリティ分野のエキスパートを指す呼称なのです。そのため、セキュリティエンジニアやサイバー犯罪捜査官はホワイトハッカーの1種でもあります。

企業の求人には「セキュリティエンジニア」、警視庁の求人には「サイバー犯罪捜査」と記載されていることがあります。

ホワイトハッカーの仕事内容

企業から国家まであらゆる情報をサイバー攻撃から守るのがホワイトハッカーの仕事です。それでは、仕事内容の詳細についてみていきましょう。

ペネトレーションテスト

システムやネットワークの脆弱性を検証するための手法です。あらゆる外部からの攻撃シのナリオを想定して実際にシステムに入り、攻撃耐性がどのくらいあるのかを調べます。

脆弱性診断

システムやサーバー、アプリケーションに存在するセキュリティの設定ミスや未修正のバグなど、セキュリティ上の弱点を検出します。

セキュリティアセスメント

システムやネットワークの全体的なセキュリティアセスメントを行います。組織のセキュリティポリシーとの一致を確認し、必要に応じて改善の提案を行います。

セキュリティアドバイザリ

セキュリティアドバイザリとして、組織やクライアントに対してセキュリティ上のベストプラクティスやリスク管理のアドバイスを提供します。セキュリティ方針の策定や強化に関する支援も行います。

ハッキング対策

ホワイトハッカーは、実際の悪意を持つハッカーからの攻撃を想定し、防御対策を構築します。セキュリティポリシーや防御メカニズムの実効性を評価します。

セキュリティトレーニング

従業員や他の関係者に対してセキュリティ意識向上のためのトレーニングや教育を提供します。ソーシャルエンジニアリングの対策なども含まれることがあります。

SOC

セキュリティ監視によるサイバー攻撃の検知。及び分析やセキュリティ対策を実施する専門組織です。SOCの担当員はコンピュータやネットワークの監視やログ分析などによるセキュリティ監視を運用管理します。

SOC:Security Operation Center

新しい脅威の追跡

セキュリティの最新の脅威や攻撃手法を継続的に追跡し、新しい対策や技術を導入することが求められます。

ホワイトハッカーは、組織がサイバーセキュリティリスクに対処するために欠かせない存在であり、セキュリティの専門家として広範なスキルを持っています。

ホワイトハッカーになるために必要な知識や資格

ホワイトハッカーになるために必ず取得しておかなければならない資格はありません。しかし、ITやセキュリティに関する資格を持っておくことで高いスキルをもっていることへの証明にもなります。今後のキャリアの幅が広がったり信頼性を高めたりするものとなります。

警視庁の「サイバー犯罪捜査官」の受験資格には「情報処理に関する高度な知識及び技能を認定する国家試験等に合格し、又はこれに相当する資格を有し、かつ、民間等における5年以上の有用な職歴を有する人」と記載があります。警視庁特別捜査官(経験者採用)令和5年度警視庁採用サイト

たとえば、「情報処理安全確支援士」は情報セキュリティの高度な知識やスキルを持っているかが問われる国家資格です。情報系の資格では日本で初めての「士業」として正式に政府のデータベースに登録されることから、信頼性の高い資格と言えます。

難易度は最難関と言われ、実務経験があっても合格するのが難しいと言われています。

ホワイトハッカーになる方法

ホワイトハッカーになるためには、セキュリティにシステムに精通していることやプログラミング言語を自由に操れる必要があります。

そのため、独学でスキルや知識を得るのは難しく、専門学校や大学でパソコンやプログラミング、セキュリティ、ネットワークについての知識とスキルを身につけてから企業に就職するのが一般的な道のりといえるでしょう。

ホワイトハッカーの役割や需要、将来性

ホワイトハッカーは政府関連機関やIT業界、コンサルティング業界、インフラ業界、金融業界などたくさんの業界で活躍できます。

ホワイトハッカーをはじめとする情報セキュリティの人材は不足しています。今後もテクノロジーの進化は進み、それに伴いサイバー犯罪も巧妙になっていくことでしょう。

企業や国家、社会の安全を守るためにもホワイトハッカーの需要はますます高まっていくことが予想されます。また、AIを用いたセキュリティも必要となります。例えば「AIを使ったセキュリティ技術を用いた対応」「AIそのものを守るセキュリティ技術や対応」などです。サイバー攻撃者もAIを用いたサイバーテロ実施してくる可能性は高く、ハルシネーション

(hallucination:意味、幻覚。AIが事実ではない虚偽情報を生成してしまう現象)などへの対応も必要です。AIとの連携もホワイトハッカーの役割の一つといえます。

関連するセキュリティエンジニア

下記のようにホワイトハッカーと関連するセキュリティエンジニアの業種、業態があります。

エシカルハッカー

情報技術を善良な目的に用いるエンジニア。高い倫理観や道徳観を持ち合わせたホワイトハッカー

ethical:意味は道徳、倫理。

CSIRT(Computer Security Incident Response Team)

セキュリティインシデントに対応する専門組織。インシデントの把握、復旧、原因分析、再発防止なども支援する。インシデントが発生通知の受付窓口や他のセキュリティ関連組織と連携なども行う。

PSIRT(Product Security Incident Response Team)

自社での製造品や開発製品及びサービスに対してセキュリティインシデント発生に対応する組織。セキュリティレベルの向上や自社製品の品質向上への寄与も行う。

まとめ

ホワイトハッカーになるための知識やスキルはなかなか独学で身に着けるのは難しいです。専門学校や大学で学ぶだけではなく、テクノロジーの進化に合わせて新しい知識を常にアップデートしていくことが求められます。

東京情報デザイン専門職大学(TID)では、3・4年次に合計660時間にも及ぶインターンシップのなかで、ホワイトハッカーに関する専門的なスキル・知識を学ぶことが可能です。また、セキュリティやプログラミングなどの知識やスキルだけでなく、4年次には「セキュリティ監査実習」において組織や企業の情報を守るための対策が正しく行われているかをチェックする監査業務についても学ぶことができます。

ホワイトハッカーを目指す場合の進路の1つとして検討してみましょう。

 

 

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