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IoTエンジニアの仕事とは?必要なスキルや将来性、なり方について解説!


平田俊明 教授

記事監修
平田 俊明 教授(東京情報デザイン専門職大学)

経歴:慶応義塾大学工学部卒業、同大学院工学研究科修士課程修了。筑波大学システム情報工学研究科を修了し、博士(工学)を取得。(株)日立製作所でコンピュータネットワーク、システム・ネットワーク運用管理ソフトウェアに関する研究開発、ストレージソフトウェアの海外展開や新製品立ち上げに従事。コンピュートロン株式会社R&D部門を経て、現在までスマート工場を実現するAIやIoT関連の応用研究や社会実装に携わっている。技術士(情報工学)、認定情報技術者(CITP)。

テクノロジーの進化が目覚ましい現代において、「IoTエンジニア」という言葉を耳にしたことはありますか?

「難しそう」「どんな仕事をするんだろう?」「自分に挑戦できるだろうか?」といった疑問や不安を感じているかもしれません。

しかし、IoTエンジニアとは、家電、自動車、医療機器といったあらゆる「モノ」をインターネットに繋ぎ、私たちの生活をより豊かに、より便利にする「未来の社会基盤」を創り上げる、非常にやりがいのある専門職です。

この記事では、IoTエンジニアが具体的にどのような仕事をしているのか、必要なスキルや知識、将来性、そして皆さんがこの魅力的な職業を目指すための第一歩まで、網羅的に分かりやすく解説します。IoTエンジニアの仕事について、一緒に深く掘り下げていきましょう。

IoTエンジニアとは?未来を創る仕事の内容について解説

IoTエンジニアとは、「Internet of Things(モノのインターネット)」の技術を使って、私たちの身の回りにある様々な「モノ」をインターネットに繋げ、新しい価値を生み出すシステムや製品を開発する専門家です。家電、自動車、医療機器、工場設備、農業機械など、これまでインターネットとは無縁だったモノたちが、IoT技術によって賢く連携し、私たちの生活や社会を劇的に変えつつあります。

IoTの基本を分かりやすく解説

IoTとは、簡単に言うと「あらゆるモノがインターネットに繋がる」ことです。例えば、スマートフォンから自宅のエアコンを操作したり、スマートスピーカーに話しかけて照明をつけたりするのもIoTの一例です。センサーが温度や湿度、人の動きなどを感知し、そのデータをインターネット経由で集め、分析し、フィードバックすることで、モノが自律的に動いたり、遠隔から操作できるようになります。これにより、私たちの生活は格段に便利になり、社会の様々な課題解決にも貢献しています。

IoTエンジニアは、この「モノとインターネットを繋ぐ」仕組み全体を設計し、開発し、運用する役割を担っています。具体的には、センサーなどのハードウェアの選定・設計から、モノを動かすためのソフトウェア開発、データを送受信するネットワークの構築、そして集まったデータを分析して活用するシステムまで、多岐にわたる技術を統合します。

IoTエンジニアは、単に技術を開発するだけでなく、その技術が人々の生活や社会にどのような価値をもたらすかを考え、未来の暮らしをデザインする創造的な仕事をしているのです。例えば、高齢者の見守りシステムで安心を提供したり、工場での生産効率を向上させたり、農業の自動化で食料生産を支えたりと、その貢献は計り知れません。

IoTエンジニアの具体的な仕事内容

IoTエンジニアの仕事は非常に幅広く、多岐にわたる専門知識とスキルが求められます。ここでは、主な仕事内容をフェーズごとに見ていきましょう。

プロジェクトの企画から設計まで

IoTシステムの開発は、まず「何を、なぜ、どのように実現したいのか」という企画からスタートします。クライアントの要望をヒアリングし、どのようなIoT製品やサービスが必要とされているのかを明確にします。例えば、「高齢者の見守りをしたい」「工場の稼働状況を遠隔で監視したい」といった漠然としたニーズを、具体的なシステムの要件に落とし込んでいきます。この段階では、技術的な実現可能性だけでなく、ビジネスとしての価値やユーザーにとっての使いやすさも考慮しながら、システムの全体像を設計します。プロジェクトの方向性を決める重要な上流工程であり、コミュニケーション能力や課題解決能力が問われます。

ハードウェア開発:モノを作る技術

IoTは「モノ」が主役ですから、その「モノ」自体を設計・開発するハードウェアの知識は欠かせません。具体的には、温度センサー、湿度センサー、人感センサー、カメラ、マイクといった各種センサーを選定し、デバイスに組み込む設計を行います。また、それらのセンサーから得られたデータを処理し、通信するための超小型コンピュータ(シングルボードコンピュータなど)を選定し、基板の設計も担当します。物理的なモノが正しく機能し、安定して動作するための精密な技術が求められる分野です。

ソフトウェア開発:モノを動かす知恵

ハードウェアが完成したら、次にそのモノを「賢く」動かすためのソフトウェアを開発します。これには主に3つの側面があります。

  1. 組み込みソフトウェア開発:
    デバイス自体に搭載されるプログラムで、センサーからのデータ取得や、モーターなどの制御を行います。C言語やC++といったプログラミング言語が使われることが多いです。
  2. アプリケーション開発:
    IoTデバイスを操作したり、収集したデータを表示したりするためのスマートフォンアプリやWebアプリケーションを開発します。ユーザーが直接触れる部分であり、使いやすさ(UI/UX)が重要になります。
  3. クラウドプラットフォーム開発:
    IoTデバイスから送られてくる大量のデータを保存・管理し、分析するためのクラウド上のシステムを構築します。AWS IoTやAzure IoT Hubといったクラウドサービスを活用することが一般的です。

ネットワーク構築とセキュリティ対策

IoTデバイスがインターネットに繋がるためには、安定した通信ネットワークが不可欠です。近距離通信用のWi-Fi、Bluetooth、広域通信用の5G、LPWA(低消費電力広域ネットワーク)など、用途に応じた最適な通信技術を選定し、ネットワークを構築します。

また、モノがインターネットに繋がることで、サイバー攻撃のリスクも高まります。IoTエンジニアは、情報漏洩や不正アクセスを防ぐための強固なセキュリティ対策を設計・実装する重要な役割も担っています。安心してIoTサービスを利用できるよう、セキュリティの知識は必須です。

データ分析とAI活用:モノから価値を引き出す

IoTデバイスは、膨大な量のデータをリアルタイムで収集します。このデータをただ集めるだけでなく、分析し、そこから意味のある洞察や価値を引き出すのがIoTエンジニアの重要な仕事です。AI(人工知能)や機械学習の技術を活用してデータを解析し、例えば工場の生産ラインの異常を予測したり、家電の最適な運転モードを自動で判断したりするシステムを開発します。データサイエンスの知識も求められる、高度でやりがいのある分野です。

運用・保守:安定稼働を支える

IoTシステムは一度開発したら終わりではありません。リリース後も、システムが安定して稼働し続けるように、継続的な監視とメンテナンスが必要です。デバイスの動作状況やネットワークの負荷を監視し、不具合が発生した際には迅速に対応します。また、機能の改善や追加、セキュリティのアップデートなども定期的に行い、常に最高のパフォーマンスを維持します。

IoTエンジニアに求められるスキルと知識

IoTエンジニアは、非常に幅広い知識とスキルが求められる職種です。しかし、最初からすべてを完璧に身につける必要はありません。大切なのは、興味を持ち、学び続ける意欲です。

IoTエンジニアに必要なスキルは、大きく分けて技術スキル(ハードスキル)、非技術系スキル(ソフトスキル)、そして探求心の3つに分類できます。

1.モノを動かす「技術スキル」(ハードスキル)

プログラミングスキル:

C、C++、Python、Javaなど、組み込み系からアプリケーション開発まで、複数の言語を習得していると有利です。Pythonは特にAIやデータ分析に強みがあります。

組み込みシステム・ハードウェアの知識:

センサー、マイコン、回路基板などに関する基礎知識が必要です。モノがどのように動くかを理解することが重要です。

ネットワークの知識:

TCP/IP、HTTPといった基本的なプロトコルに加え、MQTTやBLE(Bluetooth Low Energy)などIoT特有の通信プロトコル、無線通信技術(Wi-Fi、5G)に関する理解が求められます。

クラウドサービスの知識:

AWS IoT、Azure IoT Hub、Google Cloud IoT Coreなどのクラウドプラットフォームの利用経験があると、データの管理や分析基盤の構築に役立ちます。

データベースの知識:

収集したデータを効率的に保存・管理するためのデータベースの知識も必要です。

セキュリティの知識:

IoTデバイスやネットワークの脆弱性を理解し、セキュリティ対策を講じるための知識は、今後ますます重要になります。

AI・機械学習の知識:

収集したデータを分析し、予測や自動制御に活用するために、AIや機械学習の基礎知識があると強みになります。

2. 価値を創造する「ソフトスキル」

IoT開発は、異なる専門分野の人たちが協力して進めるチーム戦です。技術を最大限に活かし、社会的な価値を生み出すためには、以下の非技術系スキルが重要になります。

論理的思考力:

複雑なシステムの問題を分析し、効率的な解決策を導き出すために、論理的に考える力は非常に重要です。

コミュニケーション能力:

IoT開発は、ハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク、クラウドなど、異なる専門分野のエンジニアや関係者と協力して進めることがほとんどです。円滑なコミュニケーションを通じて、チームで目標を達成する力が求められます。

課題解決能力:

予期せぬ問題や技術的な壁に直面した際に、諦めずに原因を探り、解決策を見つけ出す粘り強さが必要です。

ビジネス的視点・デザイン思考:

どのようなIoTサービスが社会に求められているのか、どのようにすればユーザーに喜ばれるのかといったビジネス的な視点や、それをもとに新しいアイデアを生み出すデザイン思考も、IoTエンジニアとして大きく成長するために役立ちます。

3.常に学び続ける「探求心」

IoTの分野は日進月歩で進化しています。新しい技術やツールが次々と登場するため、一度学んだら終わりではありません。常に最新の情報をキャッチアップし、新しい知識やスキルを積極的に学び続ける探求心と向上心が、IoTエンジニアとして長く活躍するための鍵となります。新しい技術に興味を持ち、学ぶことを楽しめる人には、非常に魅力的な環境です。

IoTエンジニアの将来性とキャリアパス

IoT技術は、今や私たちの生活や産業に深く浸透しつつあり、IoTエンジニアの需要は今後も拡大していくと予想されています。

近年、5Gの普及、AI技術の発展、センサーの小型化・低コスト化などを背景に、IoT市場は急速に拡大しています。自動車、医療、農業、製造業、スマートシティなど、あらゆる業界でIoTの導入が進められており、それに伴いIoTシステムを開発できるエンジニアの需要は高まる一方です。しかし、IoTエンジニアは比較的新しい職種であるため、専門的な知識とスキルを持った人材が不足しているのが現状です。このため、IoTエンジニアは非常に将来性が高く、引く手あまたの状況が続くと考えられています。

どんな業界で活躍できる?

IoTエンジニアの活躍の場は非常に広いです。

  • 製造業: 工場設備の稼働監視や遠隔操作、予知保全、生産ラインの自動化など。
  • 自動車産業: 自動運転、コネクテッドカー(インターネットに繋がる車)の開発など。
  • 医療・ヘルスケア: 患者の生体データモニタリング、遠隔医療、介護支援システムなど。
  • 農業: スマート農業(ドローンによる農薬散布、土壌センサーによる水やり管理など)。
  • スマートホーム・家電: スマート家電の遠隔操作、エネルギー管理など。
  • 物流・交通: 物流の効率化、交通状況のリアルタイム監視など。
  • スマートシティ: 都市インフラの効率的な管理、災害対策など。

このように、IoTエンジニアは社会の様々な課題を解決し、新しい価値を創造する最前線で活躍できる職業です。

IoTエンジニアになるための道のり

IoTエンジニアになるための決まったルートはありませんが、いくつかの一般的な道のりがあります。

  1. IT系の大学・専門学校で学ぶ:
    大学の情報科学部や工学部、IT系の専門学校で、プログラミング、ネットワーク、組み込みシステム、AIなどの基礎を体系的に学ぶのが最も一般的な方法です。高校生のうちから、数学や物理といった理系科目をしっかり学ぶことが、将来の学習に役立ちます。
  2. 独学・プログラミングスクール:
    ソフトウェア開発の基礎から始め、IoT関連の技術を独学で学ぶ、またはプログラミングスクールで集中的に学ぶという選択肢もあります。
  3. 関連分野のエンジニアからのキャリアチェンジ:
    最初からIoTエンジニアを目指すのが難しい場合、まずはシステムエンジニア、組み込みエンジニア、ネットワークエンジニアといった関連分野で経験を積み、そこからIoT分野にキャリアチェンジするという方法も有効です。

重要なのは、ハードウェアとソフトウェアの両方の基礎知識をバランス良く身につけることです。このためには、1つの小規模IoTサービスなど「実際に動くもの」を作ると理解が進みます。また、これまで見てきたようにIoTは、技術分野が広いため、まずは全体を広く薄く、必要に応じて深掘りするように学んでいくのが適切です。

取得すると有利な資格

IoTエンジニアになるために必須の資格はありませんが、取得することで自身の知識やスキルを客観的に証明でき、就職やキャリアアップに有利に働くことがあります。IT基礎の土台を押さえておくためには、ITパスポートや基本情報技術者試験などの国家試験が有効です。

IoT検定:

IoTに関する幅広い知識(技術、ビジネス、サービスなど)を問われる民間資格です。

IoTシステム技術検定:

IoTシステムの企画、構築、活用、運用改善に必要な知識を評価する民間資格で、基礎から上級までレベルがあります。

エンベデッドシステムスペシャリスト試験:

組み込みシステム開発に関する高度な知識を問う国家試験です。IoTは組み込みシステムと密接に関わるため、この資格は非常に評価されます。

情報処理安全確保支援士:

セキュリティに関する国家資格で、IoTにおけるセキュリティ対策の重要性を考えると、取得しておくと大きな強みになります。

他には、AWS Certified Cloud Practitionerなどクラウドに関する民間資格も業務に直結します。これらの資格は、学習のモチベーション維持にも繋がり、体系的に知識を習得する上で役立ちます。

まとめ

IoTエンジニアは、モノとインターネットを繋ぎ、私たちの生活や社会に革新をもたらす、非常に将来性が高くやりがいのある職業です。プロジェクトの企画からハードウェア・ソフトウェア開発、データ分析まで幅広い業務を担当し、新しい価値を創造できる点が大きな魅力です。

この仕事には、プログラミングやネットワーク、AI、セキュリティといった多岐にわたる技術スキルに加え、論理的思考力や「新しいことを学び続ける探求心」が求められます。高校生の皆さんにとって、IoTエンジニアは社会課題の解決に直結する、素晴らしいキャリアの選択肢と言えるでしょう。

「理論」×「実践」で、即戦力のIoTエンジニアを目指すなら

もし、将来IoTエンジニアとして社会の最前線で活躍したいと考えているなら、東京情報デザイン専門職大学を選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
ここでは、理論だけでなく、授業の約50%が実習・実技で構成されているため現場で即戦力となる実践力が養えます。

4年間かけて「情報デザイン」を深く学ぶことで、単なる技術力だけでなく、それを社会課題の解決にどう活かすかという「デザイン思考」も同時に習得できます。

オープンキャンパスでは実際の授業の雰囲気も体験できますので、ぜひ一度チェックして、未来への一歩を踏み出してみてください。

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